電力ひっ迫注意報はなぜ発令?電力が不足する理由対策はある?

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厳しい暑さが続くなか、東京電力管内などで「電力需給ひっ迫注意報」が発令されています。

東京電力管内の電力需要は、最も高い水準で推移しています。電力需要に答えるため、火力発電の増出力や連系線を活用した電力の融通など、あらゆる供給力対策を実施します。

電力需給ひっ迫注意報はなぜ発令されたのか調査しました。

電力ひっ迫注意報はなぜ発令?

「電力需給ひっ迫注意報」は、電力需給がひっ迫する事態に備えて、早めに節電の必要性を呼びかけるために設けられた制度です。

厳しい暑さが続いているため、家庭や事務所、工場などで冷房の使用等で電力需要が増加しています。

東京電力の管内で、電力供給の余力(予備率)が5%を下回る見通しになると、「電力需給ひっ迫注意報」が発令されます。

熱中症の危険性があるので、冷房を適切に使用しながら節電することを家庭や企業に求めています。

資源エネルギー庁基盤整備課の小川要課長は「電力需要が若干厳しくなっている。電力需要が朝から予想より多めに推移していて、気温も予想より若干上がっている。夕方の時間帯の需給が厳しく、節電に協力してもらいたい」と電力需給のひっ迫について語っています。

資源エネルギー庁は気温が上昇し電力需要が増加し、突発的な電源トラブルが発生する恐れがあると「電力需給ひっ迫警報」を発令します。

「電力需給ひっ迫注意報」は予備率が5%を下回ると予想され、電力需給がひっ迫する恐れがあるとき、早めに節電の必要性を呼びかけます。

「電力需給ひっ迫警報」は予備率が3%を下回ると予想された場合、一層の節電を呼びかけるために発令します。

電力需給がひっ迫する時間帯と理由

電力需給が厳しくなるのは、午後4時半から午後5時の時間帯です。日が傾いてきて、太陽光発電の出力が低下するためです。

太陽光発電は、東京電力では、正午時点で大型の火力発電所13基分に当たる1300万キロワット発電します。

それが午後5時時点では420万キロワットまで落ち込みます。

オフィスや工場が稼働していて、家庭でも需要の多い午後5時頃の時間帯に、発電量が低下するので電力需給がひっ迫します。

電力が不足する理由対策はある?

東京電力で電力が不足する理由

○ 2022年3月16日に発生した地震で、火力発電所が止まっていて、完全に復旧していない。

○ 梅雨のあけるのが早く、厳しい暑さが続いくのでクーラーの稼働が増加し電力消費が増えている。

○夕方は電力需要が多いのに対して、太陽光発電の発電量が減り、電力の需給がひっ迫します。

政府は「電力需給ひっ迫注意報」を出して、午後3時から6時まで冷房を適切に使用し、照明を消すなどの節電を呼びかけています。

電力需給ひっ迫に対する対策

○千葉の姉崎火力発電所5号機を6月29日に再稼働させた。

東京電力と中部電力の合弁会社「JERA」は、7月1日に再稼働を予定していた姉崎発電所5号機を6月29日に前倒しして再稼働させた。一般家庭170万世帯分の60万キロワットを確保します。

○揚水発電を利用する。

電力需給ひっ迫したときに、揚水発電所をフル稼働させて調整します。

栃木県の「塩原発電所」は、夜間の余剰電力でダムに水をくみ上げ、東京タワー位の高低差を利用して水車を回して発電しています。

「塩原発電所」は揚水発電で最大90万キロワットの電力を供給します。

東京電力リニューアブルパワー・古谷菜南子さんは「天気が悪いと太陽光が使えなかったりするので水力発電は力になると思います」と語っています。

揚水発電は、太陽光発電が使えないときに効果を発揮します。東京電力では、揚水発電が、電力需給ひっ迫時の電力調整に重要な役割を演じます。

○他の電力会社からの電力融通

東京電力は、北海道電力ネットワーク、中部電力パワーグリッド、北陸電力送電、中国電力ネットワーク、九州電力送配電などから電力融通を受けます。

東京電力パワーグリッドでは、6月28日15時から18時まで、東北電力ネットワーク、中部電力パワーグリッドから最大96.59万キロワットの電力融通を受けました。

○原子力発電の再稼働

全国的に「電力不足」が深刻となり、ネット上で原発再稼働の是非をめぐる議論が繰り広げられています。

6月28日、尾木ママこと教育評論家の尾木直樹氏は「電力も予備電力が3%台になるとエアコンのストップと交換にすぐに原発再稼動を叫ぶ人もいます」と、再稼働派の声を紹介しました。

さらに尾木直樹氏は「でも、なんと言う短絡的発想でしょうか?ガッカリします みなさんはどう思いますか? 叡智を集めたいですね!」と、再稼働に反対の立場を示した。

6月29日、元「2ちゃんえんる」管理人の「ひろゆき」こと西村博之氏は「原子力や石炭発電の是非は人が死なない余裕のある時の話。停電で人が死ぬのであれば、旧安全基準で原子力発電所を稼働。猛暑が過ぎてから安全基準の再設定やら原発反対やらをやるべきだと思ってる少数派のおいらです」と原子力発電の再稼働に賛成する考えを述べています。

エネルギーアナリストの大場紀章氏は「電気が足りない中で、火力はダメ、再エネか原発かという議論は 糖質を悪者にして糖質ダイエットやってたら、血糖値が下がってやばくなってるのに、肉か野菜かどっちが大事かを議論しているようなもの」と原発に関する議論を批判しました。

原子力発電所の再稼働については色んな意見があり、今後話し合って方向性を決める必要があります。

まとめ

今回は厳しい暑さが続く中で、連日発令されている「電力需給ひっ迫注意報」について調べました。

暑い夏が続き、熱中症で運ばれる人も増えています。適切にクーラーを使用しながら、夏場の電力需給を乗り切るように祈っています。

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