新型コロナウイルス感染症は、オミクロン株の変異種「BA.5」への置き換わりにより第7波が始まっています。
大阪市の病院では2022年6月12日に患者数0の日がありましたが、それから1カ月後に軽症中症病床の警戒レベルが最高の「フェーズ5」に引き上げられました。
コロナ第7波による病床ひっ迫状況について調べました。


コロナ第7波の病床医療ひっ迫状況は?
全国知事会は、コロナ第7波を迎え、医療提供体制確保のために「2022年10月以降の補助」方針を早急に明確化するように求めています。
新型コロナが第7波に突入し、「感染拡大の防止」と「社会経済活動」との両立を図る必要がある。
医療提供体制確保に関しては、国が責任をもって「十分な財政措置」(空床確保のための財政支援や診療報酬臨時特例など)を行う必要がある。
全国知事会が、2022年7月12日、「新たな変異株の感染拡大防止に向けた緊急提言」を行いました。
第7波が到来し、新規感染者が増加しているのは
1. ワクチン3回目接種と感染により獲得した免疫が徐々に減衰している。
2. 梅雨明け、3連休、夏休みの影響により、接触機会が増加している。
3. オミクロン株の新規の系統「BA.5」への置き換わりが早まっている。
などのためです。
第7波のための保健・医療体制の強化
保健所機能の強化と自宅療養者への対応、感染患者受け入れに対する財政支援の強化等が急がれます。
診療・検査医療機関や入院医療機関確保のため、都道府県が医療機関に交付する協力金を都道府県が一括して取り扱えるようにする。
確保した全ての病床に対して継続して空床補償ができるように、地方が必要な金額を確保する。
回復期患者を受け入れる工法支援病床を確保するため、空床補償制度を創設する。などが必要です。
第7波による病床医療ひっ迫状況
厚生労働省は7月15日、第7波による全国の自宅療養者数が32万9538人(13日現在)になったと発表した。前週(6日現在)の15万9780人の約2倍になり医療ひっ迫を懸念しています。
小池知事は7月8日の定例記者会見で「(都としては)特性を踏まえたまん延防止等重点措置の適用基準を国として明確化してほしいとずっとお願いしている」と指摘した。
さらに小池知事は「本来は昨日(7日)の時点で国としてアドバイザリー会議を開くなりすべきだった。皆さん、選挙で散らばっておられるが、緊張感、危機感を持って取り組んでいかなければならない」と述べ、政府の対応を批判した。
都道府県別では、感染者の病床使用は東京都が5万3015人で最も多く、大阪府3万3374人、神奈川県3万146人、福岡県1万7862人でした。沖縄と熊本の「病床使用率」が50%を超えた。
感染拡大が山陰地方で目立っている。鳥取県は、新規感染者が200人を超え過去最多を記録しました。平井伸治知事は「流行の第7波に入った」と強調した。
島根県も7月4日に753人に増加し、1カ月で100倍を超えた。丸山達也知事は「全国に先駆けてBA・5が増えている。フロントランナーだ」と危機感を示した。
大阪府では感染者が倍増し、年代に偏りなく増えている。吉村洋文知事は「新たな波の入り口に立っているかもしれない」と危機感を示している。
大阪府の入院患者は、軽症・中等症を中心にじわじわ増加し、病床全体の使用率は8日時点で18.7%になり、大阪モデルの黄信号がともる20%手前である。
愛知県では7月18日、3258人の感染が確認されました。先週の2.1倍です。
岐阜県では665人の感染が確認され、先週の1.6倍でした。
三重県では907人の感染が確認され、先週の1.8倍でした。
病床使用率を見ると、第6波では感染者数の増加により病床使用率が上昇しましたが、第7波では病床使用率は横ばいです。
第7波では、ワクチン接種率の上昇により軽症者が多い傾向が見られる。
第7波の到来により、医療機関の発熱外来へ患者が殺到しています。
医療現場では、熱中症による救急搬送も増えていて、医療提供体制のひっ迫に警戒を強めている。
川崎市の多摩ファミリークリニックでは、発熱外来を訪れる患者が増え、予約枠が受け付け開始から20分で埋まり、コロナの陽性率も60%を超えた。
大橋博樹院長は「いきなり患者が増え、態勢整備が追い付かない」と打ち明けた。今は20~30代や子供の軽症患者が多い。
オミクロン株「BA.5」は感染力が強いと言われ、感染の急拡大が医療現場をひっ迫させる恐れがある。
集中治療室問題なしか?
重症化のしやすさはBA.5とBA.2で大差ないとされるが、医療現場から「症状の変化」が報告されている。
ふじみの救急病院(三芳町)の鹿野晃院長は「BA・2が主流だった頃に比べ、せき症状を訴える患者が多い。発熱、咽頭痛、倦怠感などの症状もより強く現れているという印象だ」と見ている。
肺炎が急速に悪化する重症患者も目立つ。鹿野晃院長は「BA・5はBA・2よりも肺炎を起こしやすく、重症化リスクが高まっている可能性がある。オミクロンは感染しても風邪程度と軽く見る人もいるだろうが、そうした認識は改めなければいけないかもしれない」と指摘している。
BA.5が主流になり重症化する患者が増えると、集中治療室が足りなくなる可能性もある。
まとめ
今回は第7波の感染状況、医療現場の状況と重症化の可能性について調べました。
現場の医師から、BA.5は重症化の可能性があると指摘されているので、ワクチンを確実に接種して、重症化を予防することが重要です。
新型コロナが収束することを祈っています。
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