政府税制調査会において、消費税増税の意見が相次いでだされた。税制調査会の委員から「消費税が未来永劫10%のままでは、日本の財政はもたない」という意見が述べられた。
自動車の走行距離により税金が課せられる「自動車走行税」も政府税制調査会で提案されていた。
消費税15%や自動車走行税は制定されるのか調べました。
消費税15%や自動車走行税は制定されるのか?
消費税15%と自動車走行税に関する議論が進んでいます。政府税制調査会の議論をもとに、制定されるのは何年後になるのか増税の見通しを予測した。
消費税15%は制定されるのか
元通産相官僚で経済評論家の古賀茂明氏は、「岸田さんは財務省寄りの人間。財務省としても岸田さんが首相のうちに、なにがなんでも増税の道筋を付けておきたいともくろんでいます」と、岸田内閣で増税の道筋をつけることを予測している。
古賀茂明氏の予測では、検討が順調に進むと、
2023年末に税制大綱で消費税増税の内容をまとめる。
2024年1月からの国会で消費税増税を可決する。
2024年10月ごろから消費税が増税される
というスケジュールになる。
2024年10月ごろからの消費税が何%になるかは、税制調査会の今後の議論によって決まる。
国際通貨基金(IMF)が2019年に出した報告書には、「日本は2030年までに消費税率15%にする必要がある」と明記されている。
同志社大学の浜矩子教授は「本気で財政を健全化させるなら、消費税率は20~25%になってしまいます。ただ、賃金が上がっていない現状では難しいので、IMFの報告書に便乗し『前倒しして15%にします』というのは、十分ありえる数字でしょう」と、IMFの報告より早く消費税が15%になると予測する。
日本で消費税が15%になるのは、IMF報告書の2030年より早まりそうな感じです。
自動車走行税は制定されるか?
自動車走行税は、自動車で走れば走るほど税金が課せられる税金です。
自動車評論家の国沢光宏さんは「走行距離税が導入されて一番大きな影響を受けるのは地方で車に乗っている人たちです。車は必需品じゃないですか。公共交通機関の電車がなくなり、バスがなくなり、という状況で、もう車しか移動手段がないのに……」と、自動車走行税は地方の人のほうが負担が多いと心配している。
自動車関係では、ガソリン税、重量税、自動車税など、すでに多くの税金が取られていて、自動車走行税が導入されると自動車離れが加速すると言われる。
自動車走行税は、電気自動車(EV)の普及に関係する税です。
EVの所有者はガソリン税を払わないので、今後EVが増えると国の税収が減少する。
燃費の良い自動車の増加によっても、ガソリン税が減り国の税収が減少する。
政府は「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」で2035年までにEVなどの電動車100%を目指している。電動車100%になると燃料課税(ガソリン税)が入らなくなる。
燃料課税の推移
年度 燃料課税 備考
2007年度 約4.2兆円
2022年度 約3.2兆円の見込み 約24%減少
税制調査会はEVの普及により減少するガソリン税の代わりに自動車走行税の導入を考えている。
自動車が走行して傷んだ道路の補修費にあてるため、受益者負担として自動車走行税を導入する。
EUではGPSや走行距離計を用いて走行距離を測定し重量貨物車に課税が行われている。
EUではEVの普及を目指し、一般車についても自動車走行税を導入する動きになっている。
EVはガソリン車に比べると車両重量が20~30%重い。重量により道路の痛みが激しくなり、道路の補修予算が増える。
自動車の車種による道路へのダメージ
車種 道路舗装へのダメージ 道路橋へのダメージ
ガソリン車 1 1
EV 約2倍 約9倍
専門家は、遅くとも2025年までに自動車走行税が導入されると見ている。
最初は、自動車走行税は低い税率から始まり、EVの普及が進むのに合わせて増税されるようだ。
岸田政権は増税しかしないのか?
岸田政権では炭素税の導入も考えられている。
炭素税はいつごろから導入されるか?
“脱炭素社会に向けて”という大義名分で、CO2排出量に応じた炭素税を企業に課税することが検討されている。
炭素税は企業が負担するが、コストアップした分は製品の価格に転嫁され消費者にしわ寄せがいく。
炭素税は2024年ころから、低い税率で始まると予想されている。
退職金控除や配偶者控除も見直される
退職金控除は、税制調査会で「勤続年数に関わらず控除を一律に」という案が議論されている。雇用の流動性を高めるため、2024年春から実施される可能性があります。
配偶者控除は所得が38万円以下(給与所得の場合年収103万円以下)の配偶者がいる場合、38万円の控除が受けられている。
税制調査会では、配偶者控除の廃止が提示されている。配偶者控除がなくなると、世帯(世帯主の月額平均給与55万1422円)で所得税と住民税を合わせて年間10万9千円の負担増になる。
同志社大学の浜矩子教授は「結局、進むのは抵抗できない低所得者層にばかり負担が重くなる税制改革。岸田首相は当初、富裕層に課税する金融所得課税を実施すると言っていたのに、結局、反発が大きく引っ込めてしまった。本来は、そういうところから課税すべきなのです」と、増税が低所得者層への負担増になることを批判している。
まとめ
今回は岸田内閣が消費税増税、自動車走行税の導入など増税する内容について調べました。
低所得者層への増税による税負担のしわよせが少なくなるように祈っています。
コメント