2023年3月17日、オランダ・ハーグにあるICC(国際刑事裁判所)は、プーチン大統領がウクライナから子供を拉致したとして逮捕状を出した。
ロシア政府で子供の担当をする大統領府のマリヤ・リボワベロワにも同じ容疑で逮捕状を出しました。
ロシアプーチン大統領に逮捕状出せ拘束できない理由を調べました。
ロシアプーチン大統領に逮捕状出せ拘束できないのか?国際刑事裁判所の判断は?
ICCの発表によると、プーチン大統領とリボワベロワの2人は、ウクライナの占領地から多数の子供たちを強制的にロシアへ移送した疑いがある。
マリヤ・リボワベロワ氏は、ロシアで子供の人権にかかわる役職に就いている女性です。
ICCはプーチン氏は戦争犯罪の責任を負う合理的な根拠がある」と声明を発表した。
プーチン氏は2023年1月、リボワベロワに「ウクライナのロシア軍占領地帯で保護者のいない子供を見つけ出す」よう指示した。
2022年5月の大統領令で、占領地域の子供のロシア国籍取得を簡素化し、孤児をロシア人と養子縁組させることを奨励した。
リボアベロワもウクライナ南東部の15歳の少年を養子にしている。
国連人権理事会の調査では、親がロシア軍に殺された子供が強制的にロシアへ移送している。
ウクライナ政府は、これまで1万6226人の子供が移送されロシアの愛国教育を受けさせられロシア人の養子になっている。養子になると発見が困難になる。
移送された1万6226人中、ウクライナの戻れたのは308人であった。親と一緒に移送された子供は15万人近くに上っている。
ICCはウクライナの子どもをロシアへ強制移送した戦争犯罪行為にプーチン大統領が直接関与したと認め、刑事責任を問うことにした。
ICCから逮捕状が出されたプーチン大統領は、日本などのICC加盟国を訪問すると逮捕される可能性がある。
アメリカのバイデン大統領は「プーチン大統領が戦争犯罪に関与しているのは明らかだ」と語り、さらに「逮捕状は正当だ」と強調した。
ロシアの大統領府・ぺスコフ報道官は「逮捕状は無効であり、容認できない」と、プーチン大統領の戦争犯罪を認めていない。
ICC(国際刑事裁判所)とは?
ICC(国際刑事裁判所)は、国際刑事裁判所ローマ規定に基づき、2003年3月11日、オランダのハーグに設置された国際裁判所です。
国際関心事の重大犯罪について責任ある「個人」を訴追・処罰して犯罪が繰り返されるのを防止する。
ICC加盟国は日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、ヨルダン、ドイツ、フランス、ベルギー、スイス、イギリス、カナダ、アルゼンチン、コロンビア、チリ、ペルーなど123カ国です。
ロシア、アメリカ、中国などは非加盟国で、逮捕状の効果は及ばず、非加盟国に身柄引き渡しの義務はありません。
SNS上には
“プーチン逮捕状は象徴的な意義しかないと思ったのは早とちり。ロシアが頼りとするグローバルサウス、アフリカの半数(南アフリカ含む)、ほぼ全ての中南米諸国(ブラジル含む)、そしてなんと友好国のセルビアやタジキスタンにまで行けなくなる(逮捕されるから)、外交を制約する大きな効果を持つ。”
と、ロシアの外交を制約する効果があるというコメントがあります。
次に、ウクライナの子供の強制移送以外のプーチン大統領の戦争犯罪について調べました。
プーチン大統領の戦争犯罪1.戦闘員でない民間人へ攻撃した。
民間人の居住しているマンション等の住宅へミサイル攻撃して、民間人の犠牲者が増えている。
プーチン大統領の戦争犯罪2.病院、学校、民間の住居を攻撃している。
病院や学校など、民間人の利用施設をミサイル攻撃している。
プーチン大統領の戦争犯罪3.ウクライナの占領地で物品を掠奪している。
ロシア兵がウクライナの占領地からエアコン、酒などを掠奪して本国へ発送している。
プーチン大統領の戦争犯罪4.ロシア兵が集団殺害犯罪を起こしている。
ロシアの占領地で民間人が虐殺されたことが報告されている。
ウクライナのゼレンスキー大統領は、ロシア軍によるウクライナの民間人の殺害をジェノサイドと呼んでいる。
ジェノサイドとは「国民的、民族的、人種的又は宗教的な集団の全部又は一部に対し、その集団自体を破壊する意図をもって」行われる殺人のことです。
プーチン大統領は拘束されるのか?
ICCから逮捕状が出されたプーチン大統領は、ICC締結国を訪れば拘束される可能性があります。
過去にはジェノサイド罪などでICCから逮捕状が出されたスーダンのバシル大統領がICC締結国で拘束されないこともありました。ICC締結国のマラウイやチャドを訪問しましたが、拘束されず自国へ帰りました。
バシル大統領を拘束しなかったマラウイやチャドは、協力義務違反の認定が出されました。
ICCから逮捕状が出たプーチン大統領についても、ICC締結国を訪問しても拘束されない可能性もあります。
まとめ
今回はICCからプーチン大統領に逮捕状が出た話題について調べました。
ICC加盟国へ訪問しにくくなり、ロシアの外交に影響を与えることが分かりました。
プーチン大統領の戦争犯罪が追及されて、ウクライナ侵攻が終わることを祈っています。
コメント