2023年3月9日の参院内閣委員会で、高市早苗経済安全保障相は放送法の「政治的公平」に関する行政文書について「明らかに正確でないと断言できる」と主張しました。
高市早苗氏は、自身の発言とされる4枚の文書について「ありもしないことを、あったかのように作ることを『捏造』と言うんじゃないか」と語っています。
高市早苗の放送法文書騒動について調べました。
高市早苗の放送法文書騒動とは?
高市早苗の放送法文書は2014年ごろの安倍政権当時に、放送法の「政治的公平」の解釈をめぐって首相官邸幹部と総務省幹部が交わしたやりとりの内容をまとめた文書です。
放送番組の政治的公平性について、それまでは「一つの番組でなく、放送事業者の『番組全体を見て判断する』」としていた。
安倍政権になって、補充的な説明として「一つ一つの番組を見て、全体を判断する」という新たな見解が追加された。
高市早苗の放送法文書には、2014年11月~2015年5月に、当時の磯崎陽輔・首相補佐官の働きかけで、総務省が新たな見解を追加することを検討した経緯が書かれていた。
文書の中には、当時の総務相の高市早苗氏が、「政治的公平」の新たな見解について、当時の安倍首相と相談したという内容が含まれていた。
当時の磯崎陽輔・首相補佐官が総務省に圧力をかけて、放送の「政治的公平」の解釈が変更された可能性があることを野党は問題にしている。
2015年5月、当時の総務相・高市早苗氏が「一つの番組において一方の主張のみ相当時間繰り返す放送をした場合は「政治的公平」に反する場合がある」と答弁し、放送法の新たな解釈を示した。
立憲民主党の小西洋之参院議員は、2015年に国会答弁で放送法の新たな政府解釈を示し、文書に名前が記載されていた高市早苗氏に文書内容を問いただした。
高市早苗氏は4枚の文書について、「捏造」された内容であると主張した。高市早苗氏は「事実であれば私は責任を取る」と述べた。
3月8日の参院予算委員会で、高市早苗氏は、総務相時代には(4枚の文書の)「情報は入っていない」と話し、「大臣室に配布がないというのは、非常に意図的なものを感じないか」と述べた。
高市早苗の放送法文書に対する総務省の見解は?
総務省は4枚の文書について「行政文書」と認めている。
正確性については「回答を控える」と述べた。
総務省幹部が「正確性については、行政文書であるか否かとは別の概念」「行政文書であったとしても、正確性についてはさまざまな事例がある」と答弁し、「捏造」であるかどうかの回答はされていない。
高市早苗氏は総務省の放送法文書について「正確性が確認されていない文章が保存されていたのは残念だ」とも述べている。
高市早苗氏のプロフィール
高市早苗(たかいち さなえ)氏は1961年3月7日生まれ、奈良県出身、神戸大学経営学部経営学科卒業、自由民主党所属の衆議院議員(9期)です。
父親はトヨタ系の自動車会社勤務、母親は奈良県警勤務の共稼ぎ家庭でした。神戸大学経営学科を卒業後、松下政経塾(第5期)に入塾した。
1990年にフジテレビ系情報番組「朝だ!どうなる?」のメインキャスターなどを務めた。1993年、第40回衆議院議員総選挙に奈良県全県区から無所属で出馬し初当選した。1996年11月に自民党に入党した。
2004年、山本拓と結婚した。山本拓に前妻との長女・涼子、長男・山本建、次女・杏子の3人の連れ子がいた。
2014年、第2次安倍改造内閣で総務大臣に就任した。
2017年、山本拓と離婚した。
高総務省内部文章は捏造資料か?更迭退任する?
2023年3月3日の参院予算委員会で、高市早苗の放送法文書の自身に関する記述は「捏造」だと主張した高市早苗氏は、「捏造」でなかった場合、大臣と議員を辞職するかと聞かれて「結構ですよ」と答えた。
3月7日には、高市早苗氏は「高市早苗の放送法文書」4枚について「自らできる範囲のことはきっちりと調べて、4枚については内容が不正確だと確信を持っております」と述べた。
SNS上には
“問題は、官邸が総務省に圧力をかけ、官邸の意のままに高市総務大臣が「一つの番組のみでも」と放送局を恫喝する答弁を国会でし放送法の解釈を変更したこと。 高市早苗は文書をねつ造と言うが、文書の内容そのままに動いたのは高市早苗だ。”
“どちらかが嘘を言っている。犯罪者を特定するときに重要なのは動機。行政文書を作成した官僚にどんな動機があるのか。官僚が人生を懸けてまで捏造する動機は見当たらない。一方、高市早苗の目的は明確。放送法の恣意的な解釈変更。真犯人は間違いなく高市早苗です。”
“「高市早苗氏『捏造文書で議員辞職は考えていない』放送法文書巡り」安倍さんという後ろ盾を失った彼女は窮地だ。四面楚歌だ。せめて安倍さんの支持層には解ってもらおうと必死だ。総務省と心中だぐらいは思っているだろう。でなければ「捏造」に縋るはずはないのだ。さあこの大案件の仕掛け人は誰か。”
などのコメントが見られます。
まとめ
今回は総務相当時の放送法文書が問題になっている高市早苗さんについて調べました。
首相官邸の主導で放送法の解釈が曲げられたのでないかと問題になっています。
高市早苗氏の今後の活躍を祈っています。
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