2023年1月24日から、参議院本会議で与野党の論戦が始まり、岸田首相は防衛費の増額に伴い不足する財源を増税で賄う方針について説明しました。
岸田総理の防衛費増額の考え方について調べました。
岸田総理の防衛費増額の考えは?反撃能力の専守防衛逸脱しないとは?
1月24日から参議院本会議で、令和3年度決算について質疑が行われた。
立憲民主党の羽田次郎議員は「(防衛費の増額は)総額ありきで国民に見える形で中身の議論が全く行われていない。復興特別所得税の転用は言語道断で、別の目的で集めた血税を防衛費に充てる手法は、まやかしとしか言いようがない。安全保障政策の大転換と膨大な国民負担を決めたのであれば、国民の信を問うのが当然だ」と、増税は国民の信を問うことをただしました。
岸田総理は「行財政改革の努力を最大限行ったうえで、足りない4分の1は将来の世代に先送りすることなく、今を生きるわれわれが対応すべきだ。税制措置は個人や法人への影響に最大限配慮する仕組みにし、理解を深めてもらえるよう国会での議論を含め、引き続き丁寧な説明を行っていく」と、丁寧な説明で理解を得ると回答しました。
岸田総理は「(衆議院の解散・総選挙については)どのように国民の信を問うのかは、時の総理大臣の専権事項として適切に判断する」と答え、現時点では解散・総選挙の考えはないようです。
防衛費増額の内容は?
2023年から2027年までの防衛費の総額を43兆円に増額することを決定しました。
2019年から5年間の中期防衛力整備計画の27兆5000億円の1.6倍に増額されます。最終年度の27年度の金額は8兆9000億円で22年度予算の5兆4000億円と比較すると3兆5000億円の増額になります。
国民1人あたりの防衛費の負担額は現在の年間4万円から2027年度の約7万円で3万円程度の負担増にります。
岸田総理が検討している、防衛費増額のための財源確保策について調べました。
防衛費増額のための財源確保策1.法人税の増額
法人税増額による防衛費増額のための財源確保は、政府が目指す賃上げに逆行するという意見があります。
岸田総理は「(防衛費増額に伴う法人税の増額は)中小企業への配慮を大幅に強化し、全法人の94%は対象外としている。防衛力強化はシーレーン確保やサプライチェーンの維持など円滑な経済活動に直接、資する面も多く、ご理解いただきたい」と述べ、賃上げに逆行するものではないとコメントしました。
防衛費増額のための財源確保策2.国債償還の見直し
自民党の特命委員会の2回目の会合が1月24日午前に開かれ、防衛費増額のための国債の償還ルールの見直しについて検討しました。
ました。
防衛費増額の財源確保策として、国債の償還ルールの見直しについて賛成と反対の意見が出された。
防衛費増額のための増税方針に否定的な議員らは、国債の償還ルールを見直して財源を確保すべきと言う立場をとっています。
増税に理解を示す議員は「国債に頼るのは将来世代に借金を背負わせることとなり、無責任だ」と、国債の償還ルールの見直しに反対しています。
防衛費増額のための財源確保策3.国有財産の売却など税金以外の収入を活用する「防衛力強化資金」の創設
2023年度予算が、5年間の防衛費増額の初年度になります。防衛費が2022年度から2割以上増えて6.8兆円になります。
2023年度の防衛費増額分は特別会計の繰り入れ金や国有財産売却益など1.2兆円を充てるようです。
防衛費増額のための財源確保策4.増税
2027年度の防衛費は4兆円増えます。その内1兆円程度を増税で賄うとしています。増税の具体的な実施時期は明らかになっていません。2023年に議論を行って決定します。
防衛費増額のための財源確保策5.国債の発行
増税でなく国債の発行で防衛費増額を賄おうと主張しています。
2023年度当初予算案で、政府は艦船などの一部の防衛装備品の経費に建設国債をあてる方針を固めたと報じられた。
5年間の防衛費増額の財源議論で、建設国債を防衛施設の更新、修繕などの費用に充てることが検討された。
反撃能力の専守防衛逸脱しないとは?
岸田文雄首相は1月26日の参議院本会議の代表質問で敵基地反撃能力について答えました。
岸田首相は「(敵基地攻撃能力は)弾道ミサイルなどによる攻撃が行われた場合、必要最小限度の自衛の措置として行使するものであり、専守防衛から逸脱するものではない」と説明した。
立憲民主党は詳しい説明が無かったと批判ています。
防衛増税協力要請できるか?
岸田文雄首相は防衛費増額の一部を増税で賄う考えを示しています。
立憲民主党など野党は、増税方針に反対し、首相に衆議院解散を迫っています。
東日本大震災の復興特別所得税の防衛費への転用については「負担増にならないよう税率を引き下げる。復興財源は責任を持って確保する」と語っています。
野党だけでなく自民党内にも防衛増税に反対している議員がおり協力要請できるかは今後の丁寧な説明によると思われます。
まとめ
今回は防衛費増額について調べました。防衛費増額のために、さまざまな財源が検討されていることが分かりました。
防衛費増額に国民の理解が得られることを祈っています。
コメント